芳香物質やアントシアニン色素などをブドウの皮からブドウ果汁，またはワインに抽出する作業で，広い意味のマセラシオンに入ります． 皮からのマセラシオンという意味で，英語ではスキン・コンタクト skin contact といいます． ロゼワインメーキングでは，黒ブドウをプレスしてから行います．

ただし，マセラシオン・ぺリキュレール　macération pelliculaire ということばは，特に，白ワインメーキングで，ワインのフレーバー，ボディ，保存可能性をつけるために，房ごと4時間から，24時間タンクに詰めて，マセレーションすることをいいます．ブドウは白ワイン用のセミヨン，ソーヴィニョン・ブラン，ミュスカ，リースリングなど，健康で，完熟したものを使い，苦いポリフェノールが抽出される前に止めます． その後，ブドウをプレスして発酵させます．

マセラシオン・ペリキュレール　macération pelliculaire　は，ブドウ果汁の酸味を減らし，pHを上げ，アミノ酸を濃縮する効果がありますが，暑さが厳しく，乾燥した天候で，ブドウの皮にタンニンが多く含まれた年には，この技術は使えません．望ましくない物質が抽出されるからです．

ボルドー大学のドゥニ・デュブルデュー教授の研究グループが確立した技術で，1980年代からボルドーの白ワインの醸造に採用されています．